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自分を変える最高の方法は、無意識の底から逃げないことだ――僕が確信している「これまでのゾーン」を突破する方法

僕は、これを誰かに押しつけようとは思っていません。

誰もが同じ方法を選ぶ必要なんてない。

人にはそれぞれ人生があり、それぞれのやり方があります。

だけど、それとは別の話として、僕自身が「自分を本気で変える」ということについて、これまでずっと自分の心と向き合いながら考え、実践してきた中で、

「これが最高の方法だ」

と確信しているものがあります。

だから、ここについては僕は弱く言うつもりはありません。

本気で自分を変えたいなら、自分の心の奥にあるものから逃げるな。

僕はそう思っています。

目次

自分の無意識の底にあるものと、本気で向き合え

ここでいう「無意識」というのは、何か神秘的なものだけを指しているわけではありません。

普段はほとんど意識せずに動いている自動思考。

昔の経験から形成された信念。

自分自身についての思い込み。

特定の出来事に対して自動的に起こる感情反応。

恐怖。

罪悪感。

恥。

怒り。

悲しみ。

どうせ自分なんて、という自己否定。

見捨てられるかもしれないという不安。

失敗してはいけないという思い込み。

人それぞれ中身は違います。

何があるかは、自分の心を見てみなければ分かりません。

だからこそ、本気で自分を変えたいのであれば、そこを見なければいけない。

罪悪感があるなら、感じて苦しめ

かなり強い言葉を使います。

罪悪感があるなら、感じて苦しめ。

僕はそう思っています。

ただし、これは、

「自分を責め続けろ」

「自分を罰しろ」

「わざと苦痛を増やせ」

という意味ではありません。

まったく違います。

自分の中に本当に罪悪感があるのに、

「考えたくない」

「感じたくない」

「なかったことにしたい」

と逃げ続けるくらいなら、一度そこに真正面から立て、という意味です。

自分に責任があるのなら、認める。

謝る必要があるなら謝る。

償えるものなら償う。

今後変えなければいけないものがあるなら変える。

逆に、事実を調べてみた結果、自分が背負う必要のない罪悪感だったなら、

「これは僕の責任ではなかった」

と修正する。

大切なのは、感情から逃げないことです。

感情に飲み込まれ続けることでもありません。

感情の中に入っていき、何があるのかを見つけ、必要な処理をして、そこから出てくることです。

怖いなら、「怖い」と認めろ

恐怖も同じです。

怖いなら、怖いんです。

だったら、

「僕は怖いんだ」

と認めればいい。

強がってごまかす必要なんてありません。

そして、もっと大事なことがあります。

その怖がっている自分を、本気で助けてやることです。

僕はここが非常に重要だと思っています。

恐怖を抱えている自分に、

「いつまで怖がっているんだ」

と攻撃するのではない。

「何がそんなに怖いんだ?」

と理解していく。

何を予測しているのか。

何が起こると思っているのか。

それは現在も本当に危険なのか。

過去に学習した恐怖反応なのか。

今の自分には何ができるのか。

一つずつ見ていく。

心理療法の研究でも、恐怖への回避を続けるだけではなく、安全に配慮しながら恐れている対象や状況に接近し、新しい学習を起こす「曝露」は、不安関連の治療で重要な方法になっています。現代的な曝露理論では、単純に恐怖を消すというより、「予想していた危険が必ず起きるわけではない」という新しい学習を形成することが重要だと考えられています。

つまり、

「怖くなくなってから進もう」

ではないのです。

怖い自分を置き去りにせず、一緒に進む。

僕が言う「怖がっている自分を助けろ」というのは、そういうことです。

恥ずかしいなら、その恥から逃げるな

恥も非常に強い感情です。

人前で失敗した。

笑われた。

馬鹿にされた。

恥をかかされた。

過去の自分を思い出すだけで消えたくなる。

そんな経験を持っている人もいるでしょう。

だったら、その恥をずっと心の奥に押し込んで、一生支配される必要はありません。

恥ずかしかったなら、

「私は、ものすごく恥ずかしかった」

と認めればいい。

「私は、あの時、みんなから否定されたように感じた」

「私は、自分には価値がないように感じた」

そこまで認めていい。

そのうえで問う。

本当に私は価値のない人間なのか。

一度恥をかいたことが、私という人間全体の価値を決めるのか。

誰かに笑われたという事実と、私自身の価値は同じなのか。

違います。

恥を感じない人間になる必要なんてありません。

恥を感じても、自分の人生を続けられる人間になればいい。

それが乗り越えるということだと、僕は思っています。

逃げ続ければ、その場所に居続けることになる

心理学には「体験の回避」という考え方があります。

苦しい感情、思考、記憶などを感じないようにしようとして、それを避け続けることです。

もちろん、危険な場所から離れることまで否定する話ではありません。

問題になるのは、

「不快なものを感じたくないから、人生そのものまで狭めてしまう」

ような回避です。

アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)などでは、不快な内的経験を完全に排除することよりも、それを抱えながら自分にとって大切な方向へ行動できる「心理的柔軟性」が重視されています。2024年の151研究を統合したメタ分析でも、心理的非柔軟性の高さはウェルビーイングの低さと関連していました。ただし、この分析の多くは相関研究なので、これだけで因果関係まで証明されたわけではありません。

感情の「受容」を扱った研究でも、感情を無理に排除しようとするのとは異なる感情調整の仕組みが研究されています。

僕の言葉に直すなら、

苦しいものから全部逃げながら、自分だけ変わろうとするのは難しい。

ということです。

人は「変わる」と言う。そして元に戻る

ここからが、もう一つ重要なところです。

人は、

「変わりたい」

と言います。

「明日から変わる」

「もう繰り返さない」

「今度こそやる」

と言います。

ところが数日経つ。

数週間経つ。

いつの間にか元通りになっている。

そして場合によっては、

「変わると決めたこと」

そのものまで忘れてしまう。

僕は、この力を甘く見ない方がいいと思っています。

人間の行動には自動化があります。

同じ状況の中で同じ行動を何度も繰り返していると、状況そのものがきっかけとなって、意図的に考えなくても以前と同じ行動が起こりやすくなります。習慣研究でも、安定した文脈と行動との結びつきによって行動が自動的に誘発されることが示されています。

だから、

「意思が弱いから戻る」

だけではないのです。

長年慣れ親しんだ環境。

考え方。

感情。

人間関係。

行動。

反応。

それらが一つのまとまりになって、以前の自分へ引き戻してくる。

僕はこれを「ゾーン」で考えています。

人生には「レンジ」のようなゾーンがある

FXをやったことがある人ならイメージしやすいと思います。

価格が一定範囲を上がったり下がったりしながら、なかなか外へ抜けない。

レンジです。

人間にも、これに似たものがあると僕は考えています。

例えば、

落ち込む。

少し頑張る。

疲れる。

諦める。

また元に戻る。

変わりたいと思う。

少し行動する。

不安になる。

以前の行動に戻る。

「今度こそ」と決める。

数日頑張る。

いつもの生活に戻る。

これを延々繰り返す。

上がったり下がったりしながら、結局ずっと同じ範囲の中にいる。

僕はこれを「これまでのゾーン」と捉えています。

ゾーンを抜ける時には、勢いが必要になる

FXでレンジを抜ける時には、大きく動くことがあります。

僕は、人間が長年の心理的・行動的パターンから抜ける時にも、似たところがあると思っています。

これまでのゾーンから抜け出せ。

僕は強くそう言いたい。

ただし、一瞬だけ気合いを入れるという意味ではありません。

必要なのは、

感情。

認知。

目的。

行動。

そして継続。

これらを同じ方向へ向けていくことです。

エモーションプラスで伝えている「情動を創る」ということ

ここで僕が重要だと考えているのが、エモーションプラスで伝えている「感情・情動を創る」という考え方です。

頭だけで、

「こうなりたい」

と思うのではない。

その未来に現実感を持たせる。

例えば、

自由になれたら、どんな気持ちになるのか。

自分を信じられるようになったら、どんな感覚なのか。

今までできなかったことができるようになった自分は、何を感じているのか。

その感情を可能な範囲で現在に引き寄せる。

目的をただの文章で終わらせない。

情動を与える。

現実感を与える。

そして、その状態で動く。

ここが重要です。

感情だけでも駄目だ。最後は行動しろ

どれだけ深く自分を理解しても、

どれだけ素晴らしい気づきを得ても、

どれだけ感動しても、

現実の行動が何も変わらなければ、生活は基本的には変わりません。

だから行動する。

やるべきことをやる。

怖くてもやる。

自信がなくてもやる。

完璧でなくてもやる。

そして繰り返す。

目標達成研究でも、単に「こうしたい」と願うだけではなく、望む未来と現実の障害を考え、「もしこの障害が起きたら、私はこの行動をする」という具体的な実行計画まで結びつける方法が研究されています。

2021年、中国・東北師範大学(Northeast Normal University)の研究者らが21研究・15,907人を統合したメタ分析では、「メンタル・コントラスティング+実行意図(Mental Contrasting with Implementation Intentions:MCII)」には、目標達成に対して小~中程度の効果が認められました。ただし、出版バイアスを考慮すると効果量が小さくなる可能性も報告されています。

もちろん、これはエモーションプラスそのものを検証した研究ではありません。

しかし、

「未来を思い描くだけで終わらず、現実の障害を見て、具体的な行動へ接続する」

という方向性については、心理学研究にも重なる部分があります。

「変わる」と言って終わる自分のパターンを、本気で嫌がれ

そして僕は、もう一つ強く言いたい。

口先だけで、

「変わる」

「変わる」

と言って何も変えない。

数日後には全部忘れる。

また同じことをする。

そしてまた、

「今度こそ変わる」

と言う。

そんな自分のパターンを、本気で嫌がれ。

これは、

「自分自身を嫌いになれ」

という意味ではありません。

自分を憎む必要なんてありません。

嫌うべきなのは、

自分を苦しめ続けている古いパターンです。

逃げる。

先延ばしする。

ごまかす。

口だけで終わらせる。

すぐ元へ戻る。

それを、

「まあいいか」

で済ませ続けない。

「僕はもうここには戻りたくない」

と思うくらいでいい。

その感情も、ゾーンを抜ける力に使えばいい。

「ぬるま湯」は悪い場所とは限らない。でも、出たいなら本気で出ろ

慣れ親しんだ場所には安心感があります。

たとえそれが自分にとって良くない状態だったとしても、

「知っている苦しさ」

は、

「知らない未来」

より安心できることがあります。

だから戻る。

これは珍しいことではありません。

だったら、そこまで含めて理解した上で抜ける。

無意識に戻ろうとする自分が現れたら、

「ああ、また以前のゾーンへ戻ろうとしているな」

と気づけばいい。

そして、もう一度行動する。

何度でもです。

僕なら、この5段階でやる

自分を本気で変えるのであれば、僕ならこうします。

1.まず、自分の自動反応を集める

何に腹が立ったのか。

何が怖かったのか。

何を恥ずかしいと思ったのか。

どんな言葉が頭に浮かんだのか。

何から逃げたのか。

何をしたくなったのか。

忘れる前に書く。

これは僕が「サヨナラ・モンスター」で重視してきた「必ずメモしておくこと」にもつながっています。

2.感情から逃げない

恐怖なら恐怖。

罪悪感なら罪悪感。

恥なら恥。

怒りなら怒り。

悲しみなら悲しみ。

まず、

「ここにこれがある」

と認める。

3.その感情に絡んでいる認知を調べる

僕は何を信じているのか。

その考えは事実なのか。

誰かから植えつけられたものなのか。

昔は必要だったけれど、今は必要ない考えなのか。

事実と解釈を分ける。

必要なら認知を修正する。

4.行きたい未来に情動を与える

「こうなれたらいいな」

で終わらせない。

そこへ行った自分をできる限り具体的に感じる。

目的に現実感を与える。

情動を創る。

5.その情動を持って、現実で行動する

そして最後は行動する。

ここを絶対に飛ばさない。

一度で変わらなければ、またやる。

戻ったら、また出る。

古いゾーンの外側で行動する回数を増やしていく。

そうやって、新しい行動が当たり前になってくれば、今度はそちらが新しいゾーンになっていく。

苦しむことが目的なのではない。抜けることが目的だ

ここは絶対に誤解してほしくありません。

僕が、

「罪悪感を感じて苦しめ」

「恐怖を感じろ」

「恥から逃げるな」

と言っているのは、

苦しむこと自体に価値があると言っているのではありません。

目的は苦痛ではない。

目的は解放です。

抜けるために必要な感情なら、逃げずに通る。

それだけです。

火傷するために火の中へ入るのではない。

反対側へ出るために、必要な道を通る。

僕が言いたいのは、そういうことです。

また、重いトラウマ反応、解離、自傷衝動、強いパニックなどがある場合に、無理やり一人で強烈な記憶へ飛び込めという意味でもありません。曝露を含む心理療法でも、安全性や段階づけは重要です。必要なら専門家の支援を利用すればいい。

「逃げない」と「無謀に自分を追い込む」は別物です。

僕はこれが、自分を変える最高の方法だと確信している

最後にはっきり書いておきます。

心理学研究が、

「世界で最も優れた自己変容法はこれである」

とランキングを出したわけではありません。

だから、

「科学によって世界一だと証明された方法」

などと僕は言いません。

これは僕自身の結論です。

僕自身がこれまで自分の心と向き合い、自分を変えるために実践を続けてきた中で到達した確信です。

自分の心の奥から逃げない。

そこにある恐怖も、罪悪感も、恥も、悲しみも見る。

その感情に絡みついている認知や信念を見つける。

間違っているものは修正する。

そして、自分が本当に行きたい方向を決める。

そこに情動を与える。

現実感を持たせる。

そして動く。

動き続ける。

今まで自分を閉じ込めていたゾーンから抜けるまで動く。

これまでのゾーンから抜け出せ。

口先だけの「変わる」で終わるな。

本気で変わりたいなら、本気で自分を助けろ。

怖がっている自分がいるなら、その自分を連れて行け。

傷ついた自分がいるなら、置いていくな。

恥を抱えている自分がいるなら、その自分の価値まで否定するな。

過去の自分を切り捨てるのではない。

過去の自分も連れて、次の場所へ行く。

僕は、それが本当の意味で、

「自分が自分を変える」

ということだと思っています。

そして僕は今も、

これが自分を変える最高の方法だと確信しています。


参考文献・参考資料

・米国・ボストン大学、ドイツ・マールブルク大学などの研究者による2024年のメタ分析。心理的非柔軟性とウェルビーイングの関連について151研究を統合。

・感情を排除せず受け入れる「アクセプタンス」を感情調整の観点から検討した神経画像研究のメタ分析。13実験、422人を統合。

・恐怖条件づけ、恐怖消去、曝露療法における認知的プロセスを整理したレビュー。

・不安関連の問題に用いられる曝露療法について、現代的な「抑制学習モデル」から検討したレビュー。

・習慣を、安定した状況手掛かりによって誘発される自動性として整理したレビュー。

・中国・東北師範大学(Northeast Normal University)の研究者らによる2021年のメタ分析。メンタル・コントラスティングと実行意図を組み合わせた自己調整法について、21研究・15,907人を統合。

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この記事を書いた人

保有資格(メンタルケア心理士、アンガーコントロールスペシャリスト。うつ病アドバイザー)1980年、北海道生まれ。中卒。数々の心の問題を抱え、生きる希望もなく、13歳から非行に走り、18歳で少年院を逃走し、以後、更生を誓うも、薬物中毒となり現実逃避。その後も凡ゆる心の問題を抱えることになる。そして、独学と自力で1つ1つ自身の心の問題を出来る部分から解決して、それにより役立った情報を発信し続けるようになる。心の問題を抱えた当事者(心の問題、苦しみを直に体験し、影響を受けている個人)だからこそわかることがあり、発信する情報の多くが好評で、お礼の言葉をいただく機会も増える。心の根深い問題の解決、解消に役立つことを伝え続けることで、更に多くの人たちから「心の良い変化に繋がった」「カウンセリングを受けても良い変化がなかったのに、菅原さんの情報の実践で良い変化が起こりました!」という声を多数いただくことが増えたことを機に、電子書籍出版を開始。こういった表現活動が他者だけでなく自身の心の傷も癒していくことを体感し、その素晴らしさも含めて情報発信している。

・メンタルケア心理士
(メンタルケア学術学会認定)
・アンガーコントロールスペシャリスト資格
(一般財団法人 日本能力開発推進協会JADP認定)
・うつ病アドバイザー
(一般財団法人 日本能力開発推進協会JADP認定)

【メンタルケア心理士とは?】「メンタルケア心理士」は、「日本学術会議協力学術団体」に指定されている、「メンタルケア学術学会」が認定する資格(公的学会認定資格としての位置づけ)です。他にも、第三者評価機関(生涯学習開発財団・一般財団法人ヘルスケア産業推進財団)からも認定されています。

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